お知らせ

軽度認知症および軽度認知障害(認知症の前段階)の方のレカネマブ治療の
相談窓口の開設について

軽度認知症および軽度認知障害(認知症の前段階)の方の
レカネマブ治療の相談窓口の開設について(第1版)
2024年3月

国立病院機構新潟病院病院長、認知症疾患医療センター長


軽度認知症および軽度認知障害(認知症の前段階)の方の新たな治療法としてレカネマブ (レケンビ® 製造販売エーザイ製薬)の治療プログラムを当院で開始(2024年2月5日〜)しました。 適応となる患者さんは原因がアルツハイマー病(すなわちアミロイドβが脳内に蓄積している病気)である方に 限られていますが、アルツハイマー病は認知症の多数を占めるため、地域における高齢者の活動やQOLを向上するために 重要な役割を果たせると考えています。
以下の様に当院における治療の流れを公表し、受診前の疑問を解決し、外来での混雑を回避するために、 一般住民へ無料の受診相談窓口(ステップ1)を開設しましたので、ご希望のあるご本人、ご家族は相談 をお申し込みください。受診となった方は、ステップ2から順に進みます。

紹介状(診療情報提供書)がある場合
かかりつけ病院の窓口を通じて、ステップ2から開始されます。当院の専門外来予約をとります。 それ以外はステップ1から始まります。

ステップ1 受診相談(無料)
それ以外の方は、当院の医療相談窓口に直接来院されるか事前に(0257-22-2126へ電話「レケンビの相談です」とつたえて、 以下の内容に関する無料相談予約をおとりください。

アルツハイマー病による軽度認知症および軽度認知障害の治療薬「レケンビ」の治療内容の概説
どの程度の症状の方が該当するのか。どの様な方は該当しないのか。(中等度以上の認知症の方は該当しません。
軽度認知症と認知症になっていない軽度認知障害(MCI)の方が対象です。レビー小体型認知症、 脳血管型認知症は適応ではありません)
原因がアルツハイマー病によるもののみが適応なので、どの様な検査が必要なのか。
(医師の診察と検査、神経心理学的評価、脳MRI検査、腰椎穿刺による脳脊髄液検査または脳アミロイドPET検査のいずれかが必要です)
費用負担(70歳以上の一般所得者の自己負担額は1ヶ月の平均負担は5万円未満で、18ヶ月の総額は802,400円と試算されています。 所得や状況におうじてどの様に増額減額されるかの想定を試みます)
治療期間(治療開始から原則18ヶ月で終了です)
上記に該当・ご理解された上で、専門外来の受診を予約できます。受診にかかわらず、無料相談だけでも受けられます
ステップ2 外来受診
認知症外来または脳神経内科外来(初診)で診察になります。予約時間までに総合受付にお越しください。 必ずご家族等症状を知っている方とご一緒に受診をおねがいします。アルツハイマー病以外の認知症の 可能性や他の治療が必要かも含め診察します。身長・体重・血圧測定、問診など既往歴や家族歴などもお伺いします。 レケンビ治療の詳細のパンフレットをお渡しします

ステップ3 各種検査
アルツハイマー病が原因(アルツハイマー脳病理の確認)であることの診断確定が必要です。 そのため、血液検査、脳MRI、腰椎穿刺による髄液検査をおこないますが、安全に髄液検査ができるかどうかを判断するため、 変形性腰椎症・腰部脊柱管狭窄症の確認として腰椎MRI検査をおこないます。言語聴覚士による認知機能検査をおこないます。 上記は数日にわけ検査しますが、髄液検査は最終日となります。腰椎穿刺による髄液検査が困難な時は連携する病院にて アミロイドPET検査を予約します。

ステップ4 治療決定
治療を決定する前にパンフレットを用いて治療の回数や進め方をご説明します。また、治療費についてご説明いたします。 患者様ご家族様でよく話し合いましょう。不安や疑問は医師や関連スタッフにお尋ねください。十分に理解され、ステップ3の結果、 アルツハイマー病による軽度認知機能障害または軽度認知症と診断されたかたのみが、治療開始に向かう事ができます。

ステップ5 治療開始
点滴治療は2Wに1回、1回1時間の点滴を行います。18ヶ月が治療期間となります。治療の副作用 や効果の臨床評価や適切なケアをおこないます。点滴や治療に伴う副作用(ARIAを含む)を早期発見でき安心して治療に専念できる環境でおこなうため、現時点では外来ではなく、 当院は落ち着いた入院環境(日帰り入院、自己負担額は増えません)でおこないます。

よくある質問:ARIA(アリア)とは何ですか。
回答:レケンビの様に脳のアミロイドβを減少、除去するくすりを使用すると、脳MRI画像で脳内に、一時的に血漿成分がもれでたり、 血液成分がもれでたりすることがあります。これをアミロイド関連画像異常(ARIA)と呼びます。早期にMRIで発見してレケンビの投与を 一時休止することで通常もとに戻ります。そのまま治療を継続していると、まれに、頭痛、視覚障害、めまい、吐き気、歩行障害、 錯乱などの症状があらわれることがあるため、医療機関は定期的にレケンビ治療中の患者さんの脳MRIを撮影評価します。 また症状が出た場合は脳MRIを評価してARIAであれば、レケンビ投与を一時休止します。



レカネマブ(レケンビ)治療の流れ国立病院機構新潟病院 脳神経内科

ステップ1
受診相談
医療相談窓口
0257-22-2126へ電話「レケンビの相談です」とお伝えください

アルツハイマー病による軽度の認知症の治療薬「レケンビ」について話を聞きたい!受診するには?費用は? などの疑問にお答えいたします
受診を希望される方は予約をお取りします
ステップ2
外来受診
外来受診
脳神経内科外来で診察になります。予約時間までに総合受付にお越しください。
※ご家族と一緒に受診をお勧めします。

持ち物
保険証・お持ちの受給者証・お薬手帳・診察券(あれば)

診察
身長・体重・血圧測定・問診など既往歴や家族歴などお伺いします。レケンビ治療のパンフレットをお渡しします。
ステップ3
各種検査
診断確定までに必要な検査
・脳のMRI
・腰のMRI
・セラピストによる認知機能検査
・腰椎穿刺による髄液検査
・アミロイドPET (腰椎穿刺が困難な時)
・その他医師が必要とした検査
※数日に分けて検査を行います
ステップ4
意思決定
治療を決定する前に・・・
・パンフレットを用いて治療の回数や進め方をご説明します
・治療費についてご説明いたします
・患者様ご家族様でよく話し合いましょう
・不安や疑問はお問い合わせください
レケンビ相談窓口
0257-22-2126
地域医療連携室
治験管理室
レケンビ担当まで
ステップ5
治療開始
治療開始
レケンビ治療は日帰り入院で行います。
点滴や治療に伴う副症状を早期発見でき安心して治療ができる環境で行います。
※日帰り入院の一日の流れは別紙ご案内いたします

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