研究班情報

HAL治験のお知らせ  (2016年09月21日作成)

HAMのHAL治験の募集は終了しました。

HAM(HTLV-1関連脊髄症)およびその他の痙性対麻痺の歩行障害治療に関する治験にご協力ください。- 新しい医療機器を開発することで、 患者さんがより良い医療を受けられる様に治験に参加していただける方を募集しています。

 

治験とは?

新しい薬や機器が医療薬品または医療機器として保険が適用され使用可能になるためには、法令で定められた方法でおこなう臨床試験(治験)により その有効性と安全性を実際に使用して検証する必要があります。これを治験といいます。治験には患者さんの協力が必要ですが、 治験への参加は自由意思で決めることができ、また、いつでも参加を取りやめることができます。現在、下記の治験にご参加いただける患者さんを募集しております。

 

HAM(HTLV-1関連脊髄症)およびその他の痙性対麻痺について

痙性対麻痺とは両下肢の強い緊張亢進などの機能障害により歩行が上手にできなくなる症状を言います。HTLV-1関連脊髄症(HAM)は進行性の痙性対麻痺をおこしますが、 有効な歩行改善治療は今までありません。遺伝性痙性対麻痺も進行性であり同様です。後縦靱帯骨化症でも手術で改善しない場合、痙性対麻痺が問題となります。 これらが今回の治験の主な対象疾患です。

 

治験の概要

本治験は、18歳以上の文書同意が可能なHAMおよび遺伝性痙性対麻痺、後縦靱帯骨化症などの痙性対麻痺症の患者さんを対象とした治験で、 HAL医療用下肢タイプ(治験名HAL-HN01)を装着した歩行運動プログラムと使用しない歩行運動プログラムの2群に分けて、 非装着時において歩行の改善度と安全性を評価する無作為化比較対照試験です。
 現在、HAM(HTLV-1関連脊髄症)およびその他の痙性対麻痺患者さんの歩行障害に対して、HAL医療用下肢タイプの保険適用拡大をめざした治験を2014年8月26日から開始し、 2016年6月9日に治験計画を改訂して進めています。皆様のご協力により、すでに21人のHAMさん,3人のHAM以外の痙性対麻痺症患者さんが治験に参加されました。 今後、新たに30人のHAM患者さんと10人のHAM以外の痙性対麻痺患者さんの治験参加を募集しています。

 

治験の名称

希少性神経・筋難病疾患の進行抑制治療効果を得るための新たな医療機器、生体電位等で随意コントロールされた下肢装着型補助ロボット(HAL-HN01) に関する医師主導治験−HTLV-1関連脊髄症(HAM)等の痙性対麻痺症による歩行不安定症に対する短期の歩行改善効果についての多施設共同無作為化比較対照並行群間試験。

 

ロボットスーツHAL医療用下肢タイプについて

歩行障害治療に使用するロボットスーツHAL医療用下肢タイプ(CYBERDYNE株式会社製造)は2016年4月から脊髄性筋萎縮症(SMA)、球脊髄性筋萎縮症(SBMA)、 筋萎縮性側索硬化症(ALS)、シャルコー・マリー・トゥース病(CMT)、遠位型ミオパチー、先天性ミオパチー、筋ジストロフィー、封入体筋炎の8神経・筋疾患に対して、 治験実施結果に基づき保険適用となっています。現在の、機器および治験結果の概要については以下のURLから詳しい関連情報をダウンロードすることができます。
製造会社の情報提供URL:http://www.cyberdyne.jp/products/LowerLimb_medical_jp.html
HAL医療用下肢タイプの添付文書:http://www.cyberdyne.jp/products/pdf/HT010910A-U01_R1.pdf

 

治験スケジュールについて

事前に審査(当局PMDAおよび各実施施設の治験審査委員会にて)された治験実施計画書に基づき、患者さんと相談して、スケジュールを決め治験が行われます。 許容できない副作用が認められる場合は中止します。治験参加者が治験で決められていることを守れない場合や治験中止を希望する場合、 または治験を実施している主体が治験中止を決定した場合は中止となります。

 

治験実施施設の場所

治験実施施設は福岡市内、徳島市内、京都市内、筑波市内、柏崎市内(国立病院機構新潟病院)の5病院となっています。

 

治験の参加基準

(1) 治験の主な参加基準

・上記の対象疾患を発症してから2年以上経過していると医師から判断された方で、治験開始前3ヶ月間において、 原因疾患による歩行障害が急激に悪化していない方。原因となる疾患に対して手術をしている場合は、術後半年以上経過している方。
・対象疾患のため、杖や歩行器を使用せず、一人で10mを安全に歩くことはできないが、介助があるか歩行器または移動型ホイストを使うと10m以上歩くことができる方 (下肢補装具は必要時使用可能です)。
・HAL-HN01の装着が可能な方で、治験期間中は治験実施スケジュールにそった入院(又は来院)が可能な方。

(2) 治験に参加いただけない方(主な除外基準)

・歩行訓練ができない、または歩行訓練により症状が悪化すると判断された方。(歩行訓練ができないと判断される呼吸困難、心不全、不整脈、心筋梗塞。骨格系の変形、脊柱管の狭窄など)
・治験開始前の1ヶ月間、日常生活において十分に歩行改善を目的としたリハビリテーションを行っていない方。(問い合わせ後に、治験実施施設の担当者と相談し、治験開始前に施行するなどの検討が可能です)
・完治していない悪性腫瘍がある方。
・治験開始前1年以内にHAL福祉用を装着し歩行訓練をした方。以前、HAL-HN01の治験を行った方。
・治験担当医師により本治験への参加が不適当と判断された方。

 

この治験の問い合わせ先

治験調整事務局
 〒945-8585 新潟県柏崎市赤坂町3番52号 国立病院機構新潟病院 臨床研究部
 TEL:0257-22-2126 /FAX:0257-24-9812(直通)
 225-kenkyuu@mail.hosp.go.jp
 担当牧野、小林、植村までお問い合わせ下さい。
電話での対応時間は限られるため、FAX、メールでのお問い合わせを優先してください。お問い合わせは患者さんご自身が可能です。

 

治験実施前の受診について

上記の治験調整事務局で、ご希望される地域の治験実施施設の担当者をご紹介いたします。治験開始前に受診が必要です。治験実施施設は限られていますが、 上記実施施設の一部では患者さんおよび付き添いの方の往復交通費(前泊を含む)を負担軽減費としてお支払いが可能で、全国の患者さんが参加できる様にしています。
治験実施施設のご紹介後、患者さんはそれぞれの治験実施施設に受診し、医師が作成した診療情報提供書に基づき、診察にて症状や歩行リハビリなどの状態を確認してもらい、 詳しく治験参加が可能か検討され、最終的に適否が決まることになります。

 

この治験の治験調整責任者

治験調整医師 中島孝 (国立病院機構新潟病院 院長)
H27年度〜日本医療研究開発機構研究費 難治性疾患実用化研究事業「希少難治性脳・脊髄疾患の歩行障害に対する生体電位駆動型下肢装着型補助ロボット(HAL-HN01)を 用いた新たな治療実用化のための多施設共同医師主導治験の実施研究」 研究代表者

 


※PDFファイルはこちらです。> 【 HAL治験のお知らせ 】


 


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