NCY-3001試験結果のその後の審査・評価について (2019年10月10日追記)
薬事・食品衛生審議会 医療機器・体外診断薬部会が 平成27年11月10日(火)
10:00〜12:00 厚生労働省専用第15・16会議室にて開催され
(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000102352.html)、
NCY-3001試験*結果によりCYBERDYNE株式会社(サイバーダイン株式会社)が提出した製造販売承認申請は、PMDAの審査報告に基づいて部会の了解が得られました。
治験での名称のHAL-HN01は、厚生労働大臣の承認手続きを経て、HAL医療用下肢タイプ(HAL-ML05)として医療機器承認が得られる予定である。
健康保険適用準備も行われている。
NCY-3001試験*結果による承認であることから、現時点で、承認されるHAL医療用下肢タイプの使用目的は、以下の緩徐進行性の神経・筋疾患患者に、 間欠的に装着し生体電位信号に基づき下肢の動きを助けつつ歩行運動を繰り返すことで、歩行機能を改善することを目的として使用することになっている。 適用患者は緩徐進行性の神経・筋疾患により歩行機能が低下した患者が対象であり、脊髄性筋萎 縮症(SMA)、球脊髄性筋萎縮症(SBMA)、筋萎縮性側索硬化症 (ALS)、シャルコー・マリー・トゥース病(CMT)、遠位型ミオパチー、封入体筋炎(IBM)、先天性ミオパチー、筋ジストロフィーのいずれかと診断され、 歩行の介助又は歩行補助具を要し、下記条件をいずれも満たした患者。体重 40~100 kg 以内の患者。身長 150~190 cm 程度または大腿長、下腿長、 腰幅など身体サイズが合い、本品の装着が可能な患者。とされている。
今後他の疾患の適応拡大のために、当院を含む研究グループは鋭意努力していきます。現在、指定難病の一つである、HTLV-1関連脊髄症(HAM) など痙性対麻痺症を対象とする多施設共同治験、NCY-2001試験を日本医療研究開発機構委託研究開発費(難治性疾患実用化研究事業)「希少難治性脳・ 脊髄疾患の歩行障害に対する生体電位駆動型下肢装着型補助ロボット(HAL-HN01)を用いた新たな治療実用化のための多施設共同医師主導治験の実施研究」 (研究開発代表者 中島孝)により継続中である。
上記の記載は2015年11月11日である。NCY-2001試験は終了し、現在は、製造販売業者にて適応拡大申請準備中である。
* NCY-3001試験の概要
2012年〜2014年度厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患等実用化事業)「希少性難治性疾患−神経・筋難病疾患の進行抑制治療効果を得るための新たな医療機器、 生体電位等で随意コントロールされた下肢装着型補助ロボット(HAL-HN01)に関する医師主導治験の実施研究 」(研究代表者、国立病院機構新潟病院 中島孝) のグループは「希少性神経・筋難病疾患の進行抑制治療効果を得るための新たな医療機器、生体電位等で随意コントロールされた下肢装着型補助ロボット (HAL-HN01)に関する医師主導治験−短期効果としての歩行改善効果に対する無作為化比較対照クロスオーバー試験(NCY-3001試験)」として、脊髄運動ニューロンより下位病変に対する疾患群に対する治験を2013年3月6日から2014年8月8日まで行った。(治験計画届書:2013年1月4日、治験調整医師 中島孝)
対象は18才以上の脊髄性筋萎縮症(SMA)、球脊髄性筋萎縮症(SBMA)、下肢症状が緩徐進行性の筋萎縮性側索硬化症(ALS)、シャルコー・マリー・トゥース病(CMT)、 遠位型ミオパチー、先天性ミオパチー、筋ジストロフィー、封入体筋炎と臨床診断された歩行不安定症。二群で合計30例に対して主要評価項目として2分間歩行テスト、 副次評価項目として10m歩行テスト、患者自身による主観的歩行評価(Patient reported outcome measure)などを実施し、同時に安全性評価を行った。
治験結果の詳細は主要医学雑誌にて公表予定である。主要評価項目である2分間歩行テストの歩行距離(m)の改善率は解析対照群24例において評価された。 クロスオーバー解析結果を一般的に理解出来る形で記載しなおすと、HAL-HN01を装着使用する治療期(概ね17%改善)は本品未使用期(概ね7%改善) を約10%上回る有意な治療改善効果を認め、安全性も確認できた。
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【 NCY-3001試験結果のその後の審査・評価について 】