研究班情報

宇宙電送と無重力環境下での動作試験にも成功した
「3Dプリント人工呼吸器モデル(3D Printable Ventilator model)」
に関する情報提供および実用化プロジェクトについて  
初回掲載2020年3月27日
更新2020年4月 8日
最終更新2020年5月25日

概要

国立病院機構新潟病院の臨床研究部医療機器イノベーション室長(内科医長併任)の石北直之医師が発明した3Dプリント人工呼吸器モデルの研究成果を無償で提供し、迅速に実用化することで、世界の医療現場における生命維持活動を支援するプロジェクトを開始します。これは2017年に世界初めて国際宇宙ステーション上の3D プリンターへの電送実験の対象となり、宇宙ステーション内の無重力環境下で動作試験に成功した人工呼吸器モデルです。どの様な状況でも安定動作するだけでなく、製造が容易で供給体制や需給調整が容易というコンセプトを実現しました。しかし、まだ日本を含む世界における医療機器認証(または承認)は得られておらず、大至急、実用化を完了し、認証(または承認)手続きを終えられる様に支援/ご寄付を受ける必要があります。

国立病院機構新潟病院臨床研究部医療機器イノベーション室長の石北直之(41歳)が発明し(WO2017115866A1)、3Dプリンターで製造する人工呼吸器モデルの研究成果とモデル製造のためのデータ(3Dプリントデータ)を無償提供し共同研究プロジェクトを開始します。プロジェクトの目的は、各国の規制当局が設定している認証(または承認)基準を達成し、迅速に実用化機器を完成することで、現在全世界で必要とされる救命活動の支援を行うことです。

石北医師と広島大学トランスレーショナルリサーチセンター准教授の木阪智彦医師が中心となり、2020年3月27日、関係者でプロジェクトを開始しました。

どの様な状況でも安定動作するだけでなく、製造が簡便、供給体制の整備、需給調整が容易であるというメリットを持つこのモデルを実用化することで『必要とする患者が人工呼吸器の支援で生命を維持できる』という、世界でいま最も求められている支援の達成を目指しています。

現在、実用化研究を加速するためのご寄付を受付けています。

プロジェクト名称

COVIDVENTILATOR PROJECT

本プロジェクトの経緯

  • 2010年12月
    痙攣発作を即時に止める簡易吸入麻酔アタッチメント(嗅ぎ注射器)を着想し、研究開始
  • 2011年 5月
    いわて産業振興センター、大竹正悟弁理士による事業化支援、株式会社ニュートンによる技術支援
  • 2013年 4月
    岩手医科大学、静岡がんセンターの協力による、小動物(ラット、小型犬、マイクロミニブタ)に対する臨床試験
  • 2015年 5月
    NASA Ames Research Center, Made In Spaceとの共同研究 契約締結
  • 2015年11月
    嗅ぎ注射器およびマイクロ人工呼吸器の無重力動作試験(1) (米国)
  • 2016年 8月
    嗅ぎ注射器およびマイクロ人工呼吸器の無重力動作試験(2) (日本)
  • 2017年 1月
    電子メール人工呼吸器 国際宇宙ステーション電送実験に成功
  • 2017年11月
    Mars Academy USAとの共同研究開始 “Mars Medics”
  • 2020年3月15日
    石北医師が、Mars Academy USAの共同研究者であるフランス人医師からの相談と実用化の提案を受ける。地球規模での感染症の影響により、世界中の医療現場で 人工呼吸器が足りない窮状を認識。 石北医師がSNSで、このコンセプトアイディアと実用化のために協力者を募る情報を発信。
  • 広島大学トランスレーショナルリサーチセンター准教授の木阪智彦医師からご協力の申し出を受ける。
    (日本医師会及び経済産業省関東経済産業局主催による「2019年度バイオデザインワークショップ(2019年10月-2020年1月、東京)」で、石北医師を指導)
  • 新型コロナウイルスパンデミックに伴い、世界中から問合せが殺到し、情報提供と実用化のためプロジェクト発足を決定。

プロジェクトの主要構成メンバー4月23日更新

【代表】
 石北直之  (国立病院機構新潟病院
臨床研究部医療機器イノベーション室長,内科医長)
【共同代表】
 木阪智彦  (広島大学,トランスレーショナルリサーチセンター
バイオデザイン部門 部門長、准教授)
【プロジェクトディレクター】
 前田祐二郎  (東京大学医学部附属病院 特任助教 /
ジャパン・バイオデザインディレクター)
【プロジェクトメンバー】
 小蜥q義  (筑波大学医学医療系教授 /
つくば臨床医学研究開発機構TR推進 ・ 教育センター長)
 鳥山美由紀  (あめちかる 代表)
 池野 文昭  (Stanford Biodesign, Stanford University、
Program Director (U.S) Japan Biodesign)
 山下大地  (株式会社浜野製作所)
 藤田 隆行  (株式会社オーケー光学、元株式会社ニュートン)
【アドバイザー ・ 経理責任者】
 中島孝  (国立病院機構新潟病院 院長)

本デバイスの主なコンセプト

  • 一定の性能要件を満たす汎用3Dプリンターとネットワーク環境があり、3Dプリンター原料のABS樹脂があれば世界のどこででも人工呼吸器を製造可能。(現時点では、認証(または承認)されていないモデルデータのみ提供可能であり、医療機器ではなく、臨床現場での使用は禁止いたします。)
  • 医療機器の製造設備が限定される宇宙空間をはじめとしたいかなる場所においても、3Dプリンターさえあれば、必要に応じて迅速に製造できる概念で設計されています。
  • 圧搾空気を通常の動力源とするため電気が使えない状況下で動作します。手動でも動作可能。 1*。
  • 先行発明の簡易吸入麻酔アタッチメント「嗅ぎ注射器」(WO2012165541A1)を翻案しており、ミニマムな仕様の人工呼吸器コンセプトを実現。
  • 石北医師が医療機器製造販売業の認可を持つ株式会社ニュートン(岩手県八幡平市)と共同開発したため、実用化研究が終了し医療機器認証(または承認)(日本ではPMDA/厚生労働省)後は、実際の機器として製造販売が可能となる見込み。
  • 一定の性能要件を満たす汎用3Dプリンターとネットワーク環境があり、3Dプリンター原料のABS樹脂があれば世界のどこででも人工呼吸器を製造可能。(現時点では、認証(または承認)されていないモデルデータのみ提供可能であり、医療機器ではなく、臨床現場での使用は禁止いたします。)
  • 医療機器の製造設備が限定される宇宙空間をはじめとしたいかなる場所においても、3Dプリンターさえあれば、必要に応じて迅速に製造できる概念で設計されています。
  • 圧搾空気を通常の動力源とするため電気が使えない状況下で動作します。手動でも動作可能。 1*。
  • 先行発明の簡易吸入麻酔アタッチメント「嗅ぎ注射器」(WO2012165541A1)を翻案しており、ミニマムな仕様の人工呼吸器コンセプトを実現。
  • 石北医師が医療機器製造販売業の認可を持つ株式会社ニュートン(岩手県八幡平市)と共同開発したため、実用化研究が終了し医療機器認証(または承認)(日本ではPMDA/厚生労働省)後は、実際の機器として製造販売が可能となる見込み。

*1 一人に対して、人工呼吸器として動作する際の、必要エネルギーソースについて
  • 石北医師が現在の研究で使用している成人1名用のポンプは23Wで駆動し、吐出量は
    約25L/分。
  • 病院の中央配管システムのコンプレッサーは1.5K〜22KW相当であり、十分にまかなえ
    ます。
※コンプレッサー配管が無い場合は、圧縮空気または酸素ボンベ、バッグを手動でもみ供給された空気で動作可能です。 他に、キャンプ用品のフットポンプも代用可能。2つつなげてステップを踏めば、空気の連続供給が可能。

本デバイスの開発目標

  • 後発医療機器として、3Dプリンターにより製造された実機に対する医療機器認証(または承認)を日本で目指します。
  • 上記の目的のために、必要な非臨床試験、関連文書作成をPMDAとの対面助言を通しておこないます。
  • 本デバイスの後発医療機器認証(または承認)時の現時点の想定される使用目的又は効果は、呼吸不全状態または呼吸不全患者の換気補助として

    (1)汎用人工呼吸器が直ちに使用できない場合に汎用人工呼吸器が使用可能になるまでの間、緊急的な救命目的で使用。
    (2)検査、処置、手術などにおいて、鎮静下で人工呼吸器が必要な場合に使用。
    (3)人工呼吸器装着患者がMRI検査を受ける場合に、本機器は金属や磁性体を有しないため、MRI機器内で使用。
    となります。
  • その他、各国で同様の認証(または承認)が受けられ、今後使用が可能になること
    (COVID-19による呼吸不全状態も含まれる)。
    認証(または承認)後に実際の臨床データを取得し分析すること。

現在、モデルの公開試験中(ライブ配信)

このモデルは現在、長時間耐久テスト中であり、その様子をYouTube及びニコニコ動画で公開 *2しています。

*2 このモデルを使った長時間耐久テストを動画閲覧できるURL
https://www.youtube.com/channel/UCkAfUnmFBB7yxE_BAFN2rtA (YouTube)
https://www.nicovideo.jp/user/95769049(ニコニコ動画)

現在の進捗状況について5月25日更新

現在の進捗状況に関するリンクを随時この項目で更新します。

現在の課題と支援/ご寄付を受ける目的

  • PMDAによる後発医療機器としての認証(または承認)手続きにむけた実用開発費用、必要とする非臨床試験費用、及び医療機器水準の文書作成費用
  • 日本以外の国や地域で医療機器認証(または承認)をうけるための費用
  • 安全に使用するための医療機器の品質管理体制の確立とPL保険契約費用
  • 医学的妥当性とその後のフィードバックのために、臨床研究システム構築(データ収集体制、モニタリング体制、データ解析体制、およびデータ公表)

プロジェクト責任者の石北直之医師について

◇略歴
現職(2020年4月より)
国立病院機構新潟病院臨床研究部医療機器イノベーション室長(内科医長併任)
2004年  岩手医科大学医学部卒業、医師免許取得(医籍第445108号)
2006年  八戸赤十字病院 初期臨床研修修了
2009年  医学博士号取得
2016年  国立病院機構渋川医療センター 臨床研究部 生体医工学研究室長
2017年  Mars Academy USA 遠隔医療チーム顧問
2019年  国立病院機構新潟病院 臨床研究部 脳神経筋病態生理研究室長

寄付に関するお問い合わせ窓口

国立病院機構新潟病院企画課・業務班長 池田太湖
電話番号: 0257-22-2126(内線1230)
FAX番号: 0257-24-9812
E-mailアドレス: 225-gyoumuhancyou@mail.hosp.go.jp

【寄付の方法についての情報】
 以下URLに基づいて御願いします。ご寄付の目的欄に、「COVIDVENTILATOR PROJECT関連事業に対する寄付」と記載してください。 ご寄付を頂いた方に、「寄附受領書」を発行します。 これは「税制上の優遇措置」のお手続きに使用可能です。個人の方も、法人・企業の方もご寄付可能です。

https://niigata.hosp.go.jp/info/donation/index.html

取材に関するにお問い合わせ窓口

国立病院機構新潟病院管理課長 石澤英夫
電話番号: 0257-22-2126(内線1210)
FAX番号: 0257-24-9812
E-mailアドレス: 225-kanrikacyou@mail.hosp.go.jp

 


 


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