最新のサイバニクス技術(HAL医療用下肢タイプ)を用いたリハビリ
HAL®を用いたリハビリテーション
HAL® (Hybrid Assistive Limb®)は 装着者の「動きたい」という脳からの信号を皮膚表面に貼り付けた電極を通して “生体電位信号” として読み取り、
それに応じて動作のアシストする着用型ロボットです。
歩行が不安定になった方により安全に、自分の思うように足を動かせる感覚を感じていただきながら、運動学習を促し立ち上がりや歩行の改善を図ります。
当院では
医療用下肢タイプ(サイズ:S/M/L)
自立支援用下肢タイプ(サイズ:S/M/L)
自立支援用単関節タイプ(肘・膝・足関節に使用可能)
腰タイプ自立支援用
を使用した運動療法を行っています。
医療用下肢タイプ |
単関節タイプ(肘) |
単関節タイプ(膝) |
単関節タイプ(足) |
腰タイプ |
HAL®の装着にあたって
HALを動かすためには皮膚に直接電極シールを貼りつける必要があります。 貼り付け部位は両脚ともに太ももの付け根部分、臀部、膝の全面部分、膝の後面部分です。 十分に配慮は致しますがスタッフの人員配置の関係上、電極貼り付けを異性が行うことがあります。 またHAL専用のズボンを履いて頂く必要がございますが、入院期間中.は専用ズボンの貸し出しをしています。 足の保護と衛生管理のために靴下の着用をお願いしています。
HAL®の装着にあたって
患者様にHALを装着して頂き、立ち上がり、立位、歩行練習などのリハビリテーションを実施します。 HALの使用回数は9回を1クールとし、1クールを目安に使用します。 1回の歩行練習には、装脱着を含めて約1時間程度かかります。 HAL使用前後に治療効果を比較するために身体計測、筋力測定、歩行評価など必要事項を評価します。 評価の際、HALの有効性を医師、理学療法士が医学的に評価を行うために写真撮影、動画撮影を一定の条件で行いますのでご協力お願い致します。
適応について
HAL医療用下肢タイプは、
緩徐進行性の神経・筋疾患のうち、脊髄性筋萎縮症、旧脊髄性筋萎縮症、筋萎縮性側索硬化症、シャルコー・マリー・トゥース症、遠位型ミオパチー、封入体筋炎、先天性ミオパチー、筋ジストロフィー、HTLV-1 関連脊髄症、遺伝性痙性対麻痺のいずれかの疾患で医師が適応と判断した方。
HAL医療用下肢タイプの添付文章に従い使用します。
HAL自立支援用下肢タイプは、
上記疾患以外で神経・筋疾患や脳血管・脊髄疾患等で歩行不安定で医師が適応と判断した方。
HAL自立支援用下肢タイプの添付文章に従い使用します。
2S | S〜L | |
---|---|---|
身長 | 〜150cmまで | 150cm〜185cm |
体重 | 〜40Kgまで | 40Kg〜100Kg |
装着できない方
・ 妊娠中の女性
・ HALの使用により不具合を起こす可能性のある医療機器を使用されている方
・ 形態的にHAL装着が困難な方
・ 皮膚疾患などにより電極の貼り付けが出来ない方
・ コミュニケーションが取れない方
・ HALを壊す恐れのある方
・ 医師が不適格と判断する症状を有する方
当院でHAL®を使用した歩行運動処置及びリハビリテーションを開始するまでの流れ
- 現在通院されている病院の主治医と相談の上、紹介状を貰い、当院へHALに関する受診の申し込みをしてください。医師の診察と理学療法士の評価後、医師がHALの適応を判断します。適応となりご希望がありましたら入院の予約をしてください。
- 入院は概ね3〜4週間程度ですが医師の診察所見で決まります。通常のリハビリテーションに追加して、HALを使用した歩行運動処置を行います。9〜10回を1クールとし、前後での歩行評価を実施します。回数は、身体状況に応じて相談させていただきます。
- 小児の方につきましては、隣接の柏崎特別支援学校へ通学や教育支援が受けられます。ご相談ください。
- HALの練習内容は、症状や個人に合わせて行います。
※「当院のHAL治療の流れ」のPDFは、 こちら からダウンロードできます。
HAL®に関する受診のお申込み方法
地域医療連携相談室 『HAL担当看護師』へ電話でご相談ください。
受付時間:15:00〜17:00 月曜日〜金曜日 (祝日を除く)
電話番号:0257-22-2126 (代)
相談時に以下の内容についてお知らせください。
・住所、氏名、年齢、病名
・通院されている病院名、紹介状の確認(ない場合は受診できません)
・身長、体重、靴のサイズ
促通反復療法(川平法)
川平法とは、意図した運動を実現・反復してもらい、その反復で大脳から脊髄までの神経回路を再建・強化する治療法です。 特に、脳卒中や脊髄損傷による上下肢、手指の麻痺に有効とされ、急性期・回復期・慢性期の対象者にも効果が期待されています。
3Dプリンタでの自助具作成
作業療法部門には3Dプリンタを設置し、患者さんが様々な機器を操作する際に用いるスイッチを取り付けたスプリント(装具)を作成しています。 患者さんの手のCT画像をデータ化することで、3Dプリンタによる個々手の形状に合わせたスプリントが作成できます。 また、自助具をパソコンのソフトウェアでデザインし患者さんのニーズにあった自助具の作成も行っています。
CT画像をもとに3Dプリンタで作成したスプリントスイッチ | 例)患者さん個々の手の形に合わせてスプリントを作成し、スプリントスイッチとして使用。 |
視線入力装置
近年、新しい入力装置(スイッチ)として急速に普及してきているのが「視線入力装置」です。 これは手足が思うように動かない人の「目」の動きを検出することによって、PCを通じてコミュニケーションを図ったり、 インターネットやSNSを楽しめるようにする機器です。 またPCを操作できなくても目の動きを検出することによって、その人の意図、想いが読み取りやすくなりコミュニケーションを促進させる効果もあります。
ドライブシュミレータ
簡易運転シュミレータ(SiDS)を使用し、患者様の自動車運転支援の評価に用いています。
天井走行リフト
理学療法室と作業療法室には天井走行リフトが設置されています。天井走行リフトを活用することにより、
患者様が快適な姿勢でかつ安全に車椅子、ベッド間を移乗することが出来ます。
また、天井走行リフトを使用して転倒予防を行いながら起立、歩行練習を行うことが可能です。